2005年04月18日

「奇跡」(岡本敏子著)


奇跡
岡本 敏子

恋愛芸術家 いま、生きる力 岡本太郎に乾杯 太郎さんとカラス 岡本太郎の本〈5〉宇宙を翔ぶ眼

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5年ほど前から岡本太郎のファンになった。「今日の芸術」を読んだのがきっかけだったような気がする。そう言えば太陽の塔が大好きで、車で通学してるときに途中に見えるのが嬉しくていつも見ていた。ファンになってからは青山と川崎の岡本太郎記念館にも行った。
そして岡本太郎もすごいが、敏子さんという人もずっと気になっていた。最近の敏子さんの喋り方を見ていると岡本太郎がのりうつってるかのようだし、「岡本太郎は死んでも、そこにもここにもいるのよ」というような発言にびっくりした。最愛の人を失ってもそんなふうな形で愛し続けられるものかと。
その鍵はこの本にあるのではないかと思い、読んでみた。この小説は、敏子さんが77歳にして初めて書いた小説である。
これはもう完全に岡本太郎と敏子さんの物語である。細かな設定などは変えられているけれど、羽田健介のセリフは太郎の言葉に聞こえてくる。それで内容は結構えろえろなのである。そういう小説とは思っていなかったので、きゃぁ、きゃぁって感じで読み進んだ。(でもいやらしくないっていうか、正しいえろっていうか、そんなんです。よくわかんないけど。)
主人公の笙子を愛する健介(=太郎)の描写では、太郎の別の(一般的に知られていない)一面が明らかになって、彼の男らしさ、優しさ、繊細さ、大胆さが分かって興味深いが、私としては笙子(=敏子さん)の描写の方に感動した。敏子さんのエッセイ「恋愛芸術家」でも敏子さんの恋愛観に「ははーっ、参りました」と思ったが、笙子はそれを小説で表したような人である。小説の中で彼女はモテモテで何人もの男から言い寄られ、こんなのありー?とも思うが、生きていく中で起こる様々なことについての彼女の考え方、男の人の受け入れ方などは、さり気ないが、やはりすごいと思う。大らかで寛容で優しくて強くて。本当の女らしさはこういうことよ、と敏子さんは書きたかったんだと思う。
本を読んだ後、自分のこれまでを振り返り、ラブリー体験なさすぎで、大事なことを忘れたまま来てしまったような悲しい気持ちになっちゃうくらいでした。

ところで、だいぶ前ですが青山の岡本太郎記念館に行って絵を見ていたら、敏子さんが現れ声をかけてくださり感激でした。
それから敏子さんの若い頃の写真を見たことあったけど、とってもおきれいで、小説の中の笙子のイメージでした。
posted by かばここ at 14:22| Comment(3) | TrackBack(0) | 本(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Posted by at 2005年04月21日 09:39
昨日岡本さんの訃報にびっくりして,そういえば彼女の本一度も読んだこと無かったと思ってたら偶然かばここさんに遭遇しました.しかも去年,大阪からの転勤で浜松の住人しております.多分ご近所さんかな?(ラズベリーでランチとか志都呂のジャスコが登場してたので)午後から志都呂の本屋にちゃりんこでいってみます.グリーンファームってとこにも週末に家族でちょこっと探検してみます.フルーツパークにお花見は行きましたが,グリーンファームって存在自体昨日まで知りませんでした.
Posted by 杏ママ at 2005年04月21日 10:03
こんにちは。いろいろと奇遇ですね。
浜松で関西弁が聞こえてくると、つい振り返ってしまう私です。
杏ママさんとはご近所さんかもですね。私もちゃりで志都呂に行ったことあります。30分くらいかかるけど。
グリーンファームは期待するとがっかりしちゃうと思います(ソフトクリーム屋さんと思えばかなり満足かも)。
Posted by かばここ at 2005年04月21日 12:23
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